オリゴ糖の機能性表示食品について知っておくべきこと

オリゴ糖の機能性表示食品について知っておくべきこと

オリゴ糖は身体に良いということは昔からよく言われていますが、機能性表示食品が登場したのは平成28年以降になってからでした。注目の成分としてサプリメントにもよく用いられていたのになぜ機能性表示食品の登場は遅かったのでしょうか。

この記事ではオリゴ糖の機能性表示食品について知っておくと役に立つポイントを紹介します。

プラセンタの機能性表示食品の工夫とは

オリゴ糖は機能性表示食品にできなかった

オリゴ糖を機能性成分とする機能性表示食品は初期から登場しても良かったはずだと考えられます。フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖などの様々な種類のオリゴ糖は機能性表示食品制度ができる以前から知られていて、健康に対する寄与についても研究が進められていたからです。

しかし、たとえはっきりとした機能性を示す知見があったとしてもオリゴ糖は機能性表示食品にできませんでした。機能性表示食品の定義上、機能性表示食品として消費者庁には受理されないものだったのです。機能性表示食品は栄養成分を除外する仕組みになっています。

タンパク質やビタミン、ミネラルなども心身の健康を促すために欠かせない成分として知られていて、きちんと必要量の摂取をすると健康状態が改善するという科学的根拠も多数あります。ただ、五大栄養素のように人が健康を維持するために摂取することが不可欠なものについては、摂取したことによって良い影響があったというよりも、不足を補ったことで不調が解消されたと考えるのが妥当です。

そのため、栄養成分は原則として機能性関与成分として認められません。ただ、分類上は炭水化物やタンパク質、脂質に含まれる栄養成分でも例外的に機能性関与成分として認められているものもありました。アミノ酸や脂肪酸、食物繊維が代表例です。

アミノ酸や脂肪酸には食品中の含有量があまり多くはないものもあります。普段の食事では積極的に食べても毎日摂るのは難しいくらいの量を摂取すると改善作用が見られたという場合もあるでしょう。不飽和脂肪酸の一部や食物繊維などは機能性表示食品として初期から認められています。

しかし、オリゴ糖については炭水化物という枠組みから出ることができず、機能性関与成分としては認められていませんでした。

オリゴ糖の機能解明が進んで議論が起こった

オリゴ糖を機能性関与成分とする機能性表示食品が登場したのは、機能性関与成分として認めるべきではないかという議論が巻き起こってきたからです。オリゴ糖は炭水化物の一種ではあるものの、やや特殊な立ち位置を持っています。

炭水化物は糖質と食物繊維に分けられ、食物繊維として難消化デキストリンなどは機能性関与成分として認められています。オリゴ糖は単糖類でも二糖類でも、でんぷんなどの多糖類でもない特殊な位置にある糖質です。その機能性が認められるのであれば、他の糖質とは区別して例外的に機能性関与成分として認められるのではないかという考え方が生まれました。

この議論の進展はオリゴ糖に関する研究が活発に行われたことによって後押しされています。企業でも大学などの研究機関でもオリゴ糖の機能性についての研究に積極的に乗り出していました。特に腸内細菌の栄養源となることや、人には消化できない種類のオリゴ糖もあることなどが明確に研究されたのが大きな影響を及ぼしています。

この結果として機能性を持ち得る種類の糖質としてオリゴ糖が脚光を浴びることになり、機能性表示成分として認める方向で議論が進んでいきました。

平成28年にオリゴ糖も機能性表示食品として認められるようになった

最終的にオリゴ糖を含有する食品が機能性表示食品として認められるようになったのは平成28年のことです。(参考元 … 薬事法ドットコム … 機能性表示食品

炭水化物の中で食物繊維と並んでオリゴ糖も機能性関与成分として使えるようになり、2018年以降は機能性表示食品が次々に開発されています。ただ、あくまで機能性関与成分としてオリゴ糖を届け出ることができるようになっただけで、機能性が何かはきちんと科学的根拠をもって説明しなければ届出を受理してもらうことはできません。

オリゴ糖の由来や種類によって機能性も異なる可能性があるため、届出をする際には十分な根拠を整え、表示内容を吟味することが重要です。

オリゴ糖を機能性関与成分にするときの注意点

オリゴ糖を機能性関与成分として用いて機能性表示食品の開発をする際には注意しなければならない点があります。糖類を機能性関与成分として用いるときに問題になる点として、過剰摂取につながることが挙げられていました。

糖類の過剰摂取は肥満につながるリスクがあるからです。肥満は高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病のリスクファクターとして知られています。健康増進のために機能性表示食品を摂取した結果として、生活習慣病になってしまっては元も子もありません。

そのため、機能性関与成分としてオリゴ糖を用いる際には最終製品が糖類の過剰摂取につながってしまうものは届出をしても受理されません。食べれば表示されている機能が発揮されて健康になれると思い、目安量を超えて摂取してしまう消費者が出てくる可能性があるからです。

オリゴ糖の多くはカロリーがあるので過剰摂取をすれば肥満の原因になることは確かでしょう。そのため、オリゴ糖を機能性関与成分として使用するときには最終製品をどうするかを慎重に考えなければなりません。

機能性表示食品にはサプリメントが多い

オリゴ糖の機能性表示食品としてはサプリメントが多くなっています。サプリメントは日本では薬に近いイメージを持っている人が多く、摂取量の目安が書いてあればその通りに摂取する場合がほとんどです。大量に摂取できないわけではありませんが、タブレットを何十個も飲むのに抵抗感がある人も多いでしょう。

そのため、オリゴ糖を機能性関与成分とする場合にはサプリメントにすれば安心と考えられています。仮にオリゴ糖を使用したお菓子を機能性表示食品としてしまうと、食事代わりに食べる人が出てくる可能性もあります。

清涼飲料水の場合にも同じで水代わりに飲む人も出てくるでしょう。

このような視点で食べ過ぎや飲み過ぎをするリスクが低いサプリメントが選ばれています。

最終製品の工夫をしてオリゴ糖を活用しよう

機能性表示食品の定義上、オリゴ糖は機能性関与成分として認められていませんでした。しかし、食物繊維などと同様にして例外として認められるようになり、機能性表示食品の開発が2018年から活発に進められています。

糖質の過剰摂取にならないように最終製品を工夫する必要がありますが、注目されている成分なので機能性関与成分として活用していきましょう。