プラセンタの機能性表示食品の工夫とは

プラセンタの機能性表示食品の工夫とは

プラセンタは機能性表示食品に含まれる機能性成分としてなぜ見かけないのだろうと思っている人もいるのではないでしょうか。機能性表示食品に用いられている機能性成分には様々な成分が登場していますが、よく知られているのに見かけないものもたくさんあります。

プラセンタは実は登場してきているので、届出をする際にどのような工夫があったのかを見てみましょう。

オリゴ糖の機能性表示食品について知っておくべきこと

機能性表示食品にはサプリメント成分が多い

プラセンタは化粧品やサプリメントでよく用いられている成分ですが、機能性表示食品には用いられていません。なぜ機能性表示食品に使われていないのかが気になる人が多いのは、もともと機能性表示食品にはサプリメント成分がよく用いられているからです。

サプリメントには摂取することで何らかのポジティブな作用を期待できる成分が含まれています。昔はビタミンやミネラルが主な成分でしたが、現在では多種多様な成分を含有しているサプリメントが開発されています。これは研究によって人の心身に対して魅力的な効果がある成分が多数見つかってきているからです。

そのため、機能性表示食品の開発でもサプリメント成分がよく用いられています。ただ、プラセンタのような人気成分でも機能性表示食品に使われていないことがよくあります。現状としてはサプリメント成分のほんの一部が機能性表示食品として認められているだけで、大半の成分はまだ機能性表示食品としての製品開発に成功していません。

機能性表示食品として届出をするときには十分な科学的根拠が必要なのも大きなハードルですが、プラセンタの場合には別の問題点があります。

機能性成分は原則として単一成分

プラセンタが機能性表示食品にならない理由を理解するためには、機能性表示食品の原則を知る必要があります。機能性表示食品として届出をするときには機能性成分を特定しなければなりません。その機能性成分について、人にどのような作用を及ぼすのかを科学的根拠に基づいて示し、機能性の表示内容を添えて届出をすることが求められています。

機能性成分を特定するのが実はかなり難しく、原則として単一成分でなければなりません。多数の成分から成る場合には、どの成分が機能性に関与しているのかが明確ではありません。実はその中の一つだけが重要で、他は特に必要がないということもあるでしょう。

科学的根拠があるかどうかを判断する際にはもう一つ大きな問題があります。混合物として定義される成分の場合にはロットによって成分組成が変わる可能性があります。一つだけが重要という場合には、その成分が少ないロットでは効果がないということになりかねません。

科学的根拠についてもロットが違うと根拠不十分になるのではないかという懸念があります。そのため、原則として機能性表示食品の届出を受理してもらうためには単一の機能性成分を選ばなければなりません。

プラセンタは単一成分ではない

単一成分でなければならないという原則に基づくと、プラセンタは機能性表示食品として届出をしても受理してもらえないと考えられます。プラセンタは豚や馬などの胎盤からの抽出物なので、単一成分ではないからです。ビタミンやミネラル、アミノ酸などに加え、様々な種類の成長因子なども含まれているのがプラセンタの特徴です。

よく言われているプラセンタの魅力も、全ての成分の効果が合わさって出たと考えることができます。当然ながら豚由来か馬由来かによっても成分組成には違いがあり、同じ豚であっても個体差が生じます。そのため、プラセンタは成分が単一ではなく、ロットや由来ごとに成分組成も異なることから機能性表示食品として認めてもらうのは難しいのです。

機能性表示食品として認めてもらった工夫

プラセンタの機能性表示食品を開発するのは難しいのは確かですが、実際には工夫をしてプラセンタを含有する機能性表示食品の開発に成功した事例があります。消費者庁に機能性表示食品として認めてもらうためにどのような工夫をしたのでしょうか。

プラセンタに含まれている特定の成分に着目し、科学的根拠を添えて届出をしたというのが特徴です。プラセンタそのものでは混合物なので認めてもらうのは難しいですが、その中の単一成分に着目して科学的根拠を見つけ出せば機能性表示食品として認められるのです。

プラセンタの場合にはペプチドに着目して届出をしています。特定のアミノ酸配列を持っているペプチドを定義して、そのペプチドの効果を科学的に実証しています。ペプチドも様々なものがありますが、どのようなペプチドなのかを実験的な結果から示し、そのペプチドが含まれているなら効果があると示せれば科学的根拠としては十分です。

そのため、プラセンタに共通して含まれているペプチドを使い、プラセンタから精製して利用したペプチドなら効果があるという形で根拠を得ています。このような工夫をすれば混合物の成分でも機能性表示食品にすることができるのです。

工夫をすれば多様な成分を届出可能

プラセンタの事例を参考にすると工夫次第で様々な成分を機能性表示食品に活用できることがわかります。特にサプリメント成分に着目する場合には、抽出物を利用しているケースが多いことから単一成分でないことがよくあります。

サプリメント成分の中から特定の成分を探し出し、その成分の機能性について科学的根拠を得ることができれば機能性表示食品にすることが可能です。この考え方はサプリメント成分に限らず、一般的な食品に対して適用できます。

これを食べると良いと言われている食品の成分を分析し、特徴的な成分の効果が科学的根拠によって示せれば機能性表示食品にして売り出すことが可能なのです。プラセンタでの工夫は混合物の成分を単一成分にして届出をするというものでした。

ただ、二つの成分が含まれていれば効果の根拠を示せるという場合もあります。その際にも機能性成分の定義の仕方次第で消費者庁に受理してもらえる可能性があります。工夫次第で機能性表示食品は開発しやすくなるということを念頭に置いておきましょう。

プラセンタの工夫を参考にして機能性表示食品を開発しよう

機能性表示食品の届出をするときには機能性成分を単一成分として定めなければなりません。プラセンタの機能性表示食品がないのは単一成分ではないからです。しかし、プラセンタに含まれるペプチドという落とし込み方で機能性表示食品になったものもあります。

このような工夫をすれば様々な成分を届出可能なので機能性表示食品の開発に役立てましょう。