機能性表示食品に含まれるプロテオグリカンとは?

機能性表示食品に含まれるプロテオグリカンとは?

「立ち上がるたびに膝に違和感がある」とか「長く歩いたあと膝に痛みが出る」など、関節の悩みを持ってはいるけれど「わざわざ病院に行くほどでもない」と考える人は多いはずです。そんな人にとって頼りになるのが、プロテオグリカンなどの軟骨保護成分が配合された機能性表示食品です。

ここでは機能性表示食品に配合されているプロテオグリカンとはどんな成分なのか、期待される効果にはどんなものがあるのか解説します。

オリゴ糖の機能性表示食品について知っておくべきこと

そもそも機能性表示食品とは?

機能性表示食品とは「脂肪の吸収を穏やかにする」「便秘傾向者の便通を改善する」「精神的ストレスを緩和する」などの機能が表示できる食品のことです。機能性表示食品は国が定めたルールの下、その食品を製造・販売する事業者が、消費者庁長官に届けを出すことで販売できます。

届出の際には、食品の安全性と機能性を裏付ける科学的根拠の明示が必要です。機能性表示食品は、効果や安全性に関して国の審査が必要な特定保健用食品と違い、販売に個別の許可は必要なく、届出のみで機能を表示し販売できます。

ただ一定の機能性が表示できると言っても、機能性表示食品はあくまでも食品です。したがって、特定の病気に対して予防や治療の効果が認められる医薬品と違い、病気を治す効果は期待できません。そのため、機能性表示食品の対象は病気にかかっていない健康な人で、目的は健康の維持と増進に限られています。

プロテオグリカンとはどんな成分なのか

プロテオグリカンとはタンパク質と多糖類の複合体で、人間の軟骨や皮膚にもともと存在している成分で、高い保水力を持っているのが特徴です。プロテオグリカンはそのポテンシャルゆえ、多くの研究者から注目を集める成分でした。

ただこれまでプロテオグリカンは取り出すのが難しく、抽出できてもわずかな量しか手に入りませんでした。そのため希少性が高く、研究に使われる試薬は1gあたり3,000万円と高価だったのです。

それゆえプロテオグリカンに関する基礎研究はなかなか前進せず、プロテオグリカンの可能性はしばらく眠ったままでした。

しかし、弘前大学医学部が鮭の鼻にある軟骨からプロテオグリカンを抽出する技術を編み出したことで、プロテオグリカンの研究は大きく様変わりしました。高純度なプロテオグリカンを効率的に取り出せるようになり、研究のスピードが飛躍的にアップしたのです。

研究の結果、今では健康食品や化粧品にプロテオグリカンが広く活用されるようになりました。

関節軟骨を保護するプロテオグリカンの効果

機能性表示食品に含まれるプロテオグリカンには、関節にある軟骨を保護する効果が期待できます。関節軟骨は「水」「2型コラーゲン」「ヒアルロン酸」「プロテオグリカン」などの成分で構成されています。なかでも水は、軟骨の大部分(65~80%)を占める成分です。

軟骨に含まれる水は、軟骨のクッション性を高める役割を持っています。加齢などの理由で軟骨の水分が減少すると、軟骨のクッション性が低下し、関節を動かす際に違和感が生じるようになるのです。関節の違和感は進行すると、腫れや痛み、ひいては軟骨の変形につながります。

高い保水力を持つプロテオグリカンは、軟骨の水分を維持してくれる成分です。したがってプロテオグリカンを配合する機能性表示食品には、関節軟骨の柔軟性を高めて保護する機能が期待できます。なお、関節軟骨を保護する成分として多くの人が思い浮かべる「グルコサミン」と「コンドロイチン」は、プロテオグリカンの合成に深く関わる成分です。

グルコサミンはプロテオグリカンの合成に必要な成分です。コンドロイチンはプロテオグリカンに含まれる成分で、プロテオグリカンやコラーゲンの生成を促します。グルコサミンとコンドロイチンを配合する機能性表示食品で関節軟骨の保護が期待できるのは、グルコサミンとコンドロイチンによってプロテオグリカンの生成が促され、関節軟骨のクッション性が保たれるためと考えられます。

肌弾力を維持するプロテオグリカンの効果

プロテオグリカンは、関節だけでなく皮膚にも含まれています。肌内部のプロテオグリカンは、肌の潤いやハリを維持してくれるのが特徴です。しかしプロテオグリカンは、ヒアルロン酸やコラーゲンと同様に加齢とともに減少していきます。

機能性表示食品でプロテオグリカンを補うと、加齢による肌の弾力低下を食い止める効果が期待できます。プロテオグリカンを摂取するとヒアルロン酸やコラーゲンを作る細胞が活性化し、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生が促進させるからです。

なお、機能性表示食品で「肌弾力を維持する」という表示が可能になったのは、2020年7月のことです。それゆえプロテオグリカンが配合された機能性表示食品には「関節軟骨を保護する」や「膝関節の柔軟性・可動性をサポートする」など、関節に悩みを持つ人向けの製品が大半を占めています。

「肌弾力の維持」をうたった機能性表示食品の届出件数は、圧倒的に少ないのが現状です。

プロテオグリカン配合の機能性表示食品を選ぶときのポイント

プロテオグリカンが配合された機能性表示食品を選ぶときは、その機能性を強化してくれるプラスアルファの成分が入っている製品を選ぶとよいでしょう。関節軟骨の保護を目的とするなら「2型コラーゲン」「ヒアルロン酸」「グルコサミン」「コンドロイチン」などが、食品の機能性をアシストしてくれる成分に当たります。

これらがプロテオグリカンと一緒に配合されている製品を選べば、プロテオグリカンのみを配合した製品よりも高い機能性が期待できるでしょう。また、臨床試験の結果を独自に公表している事業者の製品を選ぶのもポイントです。

機能性表示食品は特定保健用食品と違い、国ではなく食品を製造・販売している事業者の責任で機能性を表示します。それゆえ、どんな科学的根拠でその食品が機能性表示食品となっているのかが重要です。科学的根拠を一般向けに分かりやすく解説している事業者は、自社製品に絶対の自信を持っていると考えられます。

このような事業者が製造・販売する製品なら、消費者も安心して購入・摂取できるでしょう。事業者に頼らず、自分自身で機能性表示食品の安全性や機能性を把握したいなら、消費者庁が公開している「機能性表示食品の届出情報検索」を活用すると良いでしょう。

届出番号や商品名、機能性関与成分を含む原材料名(プロテオグリカンなど)を入力すると、個別の機能性表示食品に関する科学的根拠などの情報が見られます。機能性表示食品の届出情報検索で得られる情報は、機能性表示食品をしっかり吟味してから購入したい方の強い味方となるでしょう。

関節の違和感にはプロテオグリカン配合の機能性表示食品を試してみよう

機能性表示食品はあくまで食品です。したがって関節軟骨を保護する成分が入った機能性表示食品を積極的に摂取しても、関節の違和感から開放される保証はありません。しかし病院に行くほどの状態でないなら、プロテオグリカン配合の機能性表示食品を摂取することで、改善に向かう可能性もあります。もし関節の違和感で悩んでいるなら、一度プロテオグリカン配合の機能性表示食品を生活に取り入れてはどうでしょうか?